一、音の設計
この作品には音楽がほとんどありません。あるのは雪を踏む音、風、遠くの発電機、そして郵便袋の革がきしむ音です。プレイヤーが立ち止まると、音も止まります。立ち止まることが、この作品の最初の操作です。
ホワイトアウト工房の音響担当は、札幌郊外で三冬にわたって雪の音を録ったと言います。新雪と、踏み固められた雪と、夜に凍った雪では、足音の高さが違う。作中の村の通りは、その三種類で塗り分けられていて、耳だけで道が分かります。
「静かだから、選択が聞こえる。音楽があると、選択を音楽が決めてしまう」— ホワイトアウト工房、音響担当
二、選択の少なさ
7時間の間に、プレイヤーが選ぶのは11回だけです。どれも「どの家に先に行くか」「手紙を読むか、読まないか」という小さなもので、画面に選択肢は出ません。歩く方向が選択です。
そして、戻れません。セーブは一つで、上書きだけ。多くのプレイヤーがここで不満を言いますが、編集部は反対しません。手紙は一度しか届かないからです。
三、7時間の構造
一晩の物語は、三幕ではなく、七つの配達で区切られます。七通目の手紙は、最初の一通目の返事です。構造を知ってから二周目を遊ぶと、一周目に聞こえなかった音が聞こえます — あの発電機は、最初から止まっていました。
唯一の不満は、最終章の分岐が一つしかないことです。十一の選択は、たった一つの場所にしか流れ込みません。それでも、その一つの場所で、編集部の四人全員が違う感想を持ちました。
遊ぶ前に
- 字幕を「大」に。初期設定は小さすぎます。
- ヘッドホンで。スピーカーでは三種類の雪の違いが消えます。
- 一晩で。7時間を二日に分けると、音の記憶が切れます。